スズキは8月4日、新型スポーツネイキッドの【GSX-S1000】を発売しました。
この車両は、2015年の発売以来【GSX-R1000】のエンジンと車体を街乗り向けにチューニングしたスポーツネイキッドです。
新型は外装からエンジンまで全面改良され、6月から欧州で先行販売され、ついに日本でも発売されました。
今回は、この新型【GSX-S1000】について深堀りしていきます。
GSX-S1000とは

【GSX-S1000】とは、スズキが2015年に初期型を発売したスポーツネイキッドです。
スーパースポーツモデルの【GSX-R1000】をもとにストリート向けに開発されました。コンセプトは『狩りをする猛獣』。
最先端の電子制御システムを搭載し、スペックの向上とライダーフレンドリーなアシスト機能が両立されています。
前期型 GSX-S1000 からの主な変更点

最もわかりやすい変更点はフロントマスクのデザインでしょう。スズキの二輪車モデルでは初となる、モノフォーカスタイプのLEDを縦に2灯配置したデザインが印象的です。
エンジンの出力も向上したのと合わせて、電子制御システム【S・I・R・S(スズキ・インテリジェント・ライド・システム)】も新たに搭載されています。
新型 GSX-S1000 で採用された最新装備

電子制御システム S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)
S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)とは、スズキの電子制御システムの総称のことです。
- 好みに応じたドライブモードが選べる【SDMS(スズキドライブモードセレクター)】
- SDMSの各モードの動作を最適化する、【電子制御スロットルシステム】
- 発進時や渋滞時、Uターンの際のスムーズな発進を実現した、【ローRPMアシスト】
- ECMが始動状況を認識してスターターモーターを止める【スズキイージースタートシステム】
- 5段階から選択可能な【スズキトラクションコントロールシステム(STCS)】
- クラッチやスロットル操作無しでシフトアップ/ダウンが可能な【双方向クイックシフトシステム】
などからなります。
【SDMS(スズキドライブモードセレクター)】
【SDMS(スズキドライブモードセレクター)】は、左ハンドルバースイッチにより、「A(アクティブ)」・「B(ベーシック)」・「C(コンフォート)」の3つから任意の走行モードを選べます。
ワインディング、市街地、高速道路など、様々な状況に応じた走行モードを選択することが可能。どのモードでも最高出力値は変わらない設定になっています。
【電子制御スロットルシステム】
32ビットECM(Engine Control Module)がスロットルバルブの動作を制御して、リニアでスムーズなスロットルフィーリングを実現しています。
【ローRPMアシスト】
発進時や低回転走行時には、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度、クラッチスイッチの情報を用いて【ローRPMアシスト】が制御します。
スズキクラッチアシストシステム(SCAS)と連携することで、スムーズな発進を実現。
低速走行時や、Uターンの際もエンジン回転の落ち込みを感じにくくなり、安心感のある動作が可能になりました。
【スズキイージースタートシステム】
スターターボタンを押すと一定時間スターターモーターが回転します。
ECM(Engine Control Module)が始動状況を認識してスターターモーターを止めてくれるため、エンジンが始動するまで、スターターボタンを押し続ける必要がありません。
【スズキトラクションコントロールシステム(STCS)】
5段階+OFFの6モードからトラクションコントロールの介入レベルを選択できます。
各種センサーからの情報により、ホイールスピンを検出したら、速やかにエンジン出力を低減します。エンジン出力を効率よく路面に伝え、快適なライディングが可能になりました。
【双方向クイックシフトシステム】
シフトアップ時には、自動的に出力をカットし、滑らかでスピーディーなシフトアップが可能。
シフトダウン時は、スロットルやクラッチ操作をすることなく、スピーディーかつスムーズなシフトダウンを行うことができます。
スーパースポーツ譲りの運動性能に、最新の電子制御システムの数々で、パフォーマンスとコントロール性能を両立したストリートファイターに仕上がりました。
新旧 GSX-S1000 スペック比較

基本スペック | 2021年式 | 2020年式 |
---|---|---|
全長 (mm) | 2115 | 2115 |
全幅 (mm) | 810 | 795 |
全高 (mm) | 1080 | 1080 |
ホイールベース (mm) | 1460 | 1460 |
最低地上高(mm) | 140 | 140 |
シート高 (mm) | 810 | 810 |
車両重量 (kg) | 214 | 209 |
最小回転半径(m) | 3.1 | 3.1 |
乗車定員(名) | 2 | 2 |
燃料消費率(1)(km/L) | 21.2 国交省届出(60km/h走行時) | 25.3 国交省届出(60km/h走行時) |
燃料消費率(2)(km/L) | 16.6 WMTCモード値 | 18.7 WMTCモード値 |
排気量 (cc) | 998 | 998 |
カム・バルブ駆動方式 | DOHC | DOHC |
最高出力(kW) | 110 | 109 |
最高出力(PS) | 150 | 148 |
最高出力回転数(rpm) | 11000 | 10000 |
最大トルク(N・m) | 105 | 107 |
最大トルク(kgf・m) | 10.7 | 10.9 |
最大トルク回転数(rpm) | 9250 | 9500 |
燃料タンク容量 (L) | 19 | 17 |
燃料(種類) | ハイオクガソリン | ハイオクガソリン |
満タン時航続距離(概算・参考値) | 402.8 | 430.1 |
スペック表を比較してみると、赤字の部分に変更が見られました。
全幅が15mm広くなり、重量が5kg増加しています。また、最高出力は増加したものの最大トルクは減少。ただしトルクカーブは緩やかになり、トルク自体は太くなっているとのこと。
燃費の悪化もあるものの、タンク容量が2L増加したことで航続距離は402.8kmとなっています。
メーカー希望小売価格は、税込1,340,000円で、カラーは『トリトンブルーメタリック』『グラスマットメカニカルグレー』『グラススパークルブラック』の3色展開です。
引用元:スズキ公式サイト